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デザイン資源のデジタルアーカイブ
所蔵分類名称(登録名)
アルファチューブ TH28-D01X(テレビ)、TH28-DM03(モニター)
Alpha Tube TH28-D01X (TV) , TH28-DM03 (Monitor)
- カテゴリー
-
- #Product
- 発売年
1984
- 販売元
松下電器産業株式会社
- 製造元
松下電器産業株式会社
- サイズ
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W690 × D580 × H585 mm
- 素材・技法
樹脂、ガラス
- 意匠登録番号
日本意匠登録第680721号
- 肖像権・パブリシティ権保持者
該当なし
- 著作権登録番号
登録なし
- 所蔵についての問い合わせ先
パナソニックミュージアム
- データ出典
松下のかたち(株式会社アクシス 2000年発行)
TH28-D01X 商品カタログ(1984年 松下電器産業株式会社)
原点回帰の機能美で新たなライフスタイルを提案した大画面テレビ
詳細説明
1983年、放送受像機としてのテレビ市場が飽和状態となり低インチ化が進む中で、新たなテレビを開発するデザインのプロジェクトが発足。5名のメンバーはテレビのポジションを見直して今までにない商品を生み出すために議論を重ね、ビデオの普及が進めば大画面の時代が来るはずだという結論に至った。そこでデザイナーは大画面テレビのあり方を原点から見直して、「テレビの本質は映像を映すブラウン管にある」ととらえ、それをそのままの形で表現し床置きにすることで日本のくらしに馴染む「フロアライフ」を提案。大画面テレビは壁際の台に置くものという常識を覆す斬新な製品が誕生した。
床置きで10度傾けた前面には5ミリ厚の強化スモークドガラスを用い、背面まで美しくデザインされたボディには強固な樹脂と高度な成型技術を使うことで、装飾を排したシンプルで堅牢な仕上がりを実現。また、移動性を考慮した付属のキャスターや、周辺機器を収納して積み重ねが可能なオプションのラックなど、フロアライフにともなう多様なニーズへの対応も図られた。
当時はビデオの普及に加えて、プロモーションビデオや環境ビデオなど映像コンテンツの多様化も進んでおり、それをテレビが「番組を見るもの」から広く「映像を楽しむもの」に変わるタイミングととらえ、ターゲットをフロアライフを楽しむ感性の鋭い人々に特定。これらの新たな映像文化に対応できる高い機能を備えながらも、カタログなどのイメージ写真にあえてホワイトアウトの画面を使うなど、これからの大画面テレビそのもののあり方をライフスタイルと共に提案する、との思いをプロモートまで一貫することで強いメッセージ性を持たせることに成功した。
建築事務所や雑誌編集部、若者グループなどを回って意見を聞くことで、特定したターゲットのニーズに合致しているのかを丁寧に検証しており、プロジェクトリーダーが後年のインタビュー記事で、「やっとテレビを人に従属させてくれた、との意見があった」と語っているのが象徴的である。
1985年グッドデザイン大賞受賞(TH28-DM03)。